【テキスト付き】武井壮さん「オトナの学校」オトナの育て方の動画をご紹介。人や物の価値を高めるには、人が求める数を増やすことが大事。

昨年11月、TBSの番組でオトナをテーマにした番組「オトナ!」があります。

その番組で僕が尊敬している武井壮さんが専修大学にて「オトナの育て方」というテーマで講義を行った動画が僕の中で話題になり、また多くの人から絶賛の声が上がっています。

今回はそんな素晴らしい武井壮さん流のオトナの育て方をテキストでお伝えしたいと思います。

 

武井壮は努力の塊。決して裕福ではなかった幼少期を告白。

僕の幼少期の頃のお話をしますとですね、家族と縁がない家庭に育ったもんで、まず母親がいなくて、父親いたんですけど、ちょっとワイルドな父親で、他に家庭を持っておりまして、兄と二人兄弟だったんですけど、なかなか一緒に住むことができなくて、子供の頃から子供だけで暮らしてたんですね。

で、僕らは何とかして学校に行かなきゃいけないとか、毎日、洗濯炊事を自分たちでやんなきゃいけないっていうことで、それが当たり前の育ちだったんで、当時は大してしんどいなとか、そんなには感じてなかったんですけど、なんで他の家にはお父さんお母さんがいるのに、うちにはいないの?ぐらいは感じてたんですよ。

だけど学校も行きたかったし、なんかスポーツもやりたかったし、なんか頑張って学校に行きたいっていうことで、僕学費がなかったんでお金がなかったから、私立の学校に入って、成績が一番だと学費も入学金も全部免除だよっていう学校探して、そこ入って、6年間全部タダにすることができたんですね。

でもその時って僕が勉強が出来たわけでも、したかったわけでもなんでもなくて、もうやんなきゃ学校に行けないっていう状況だったんですよ。だからしょうがないから授業は真剣に一番前の席で受けて、とりあえず教科書を一学期目にもらったら、全部先に読んじゃうっていうね。

向上心があったわけでも、向学心があったわけでも何でもなくて、それをしないと学校に行けないっていう強制だったんですね。社会人が会社にいかきゃいけない。毎日朝から晩まで会社に行かなきゃいけないみたいなと、同じような感覚で子供の頃僕を過ごしてたんじゃないかなって思うんですけど。

今の年収は億単位。大好きなことだけで生きていきたい思いでここまで来た。

 

ちょっと、いやらしい話ですけども、今、芸能生活とかさせていただいて、収入とかも、かなり大人になってきまして。

アスリート時代、日本チャンピョンになってんですけど、ぶっちゃけ収入とかも100万円あるかないかとか、多い年で200何十万とかそんなもんだったんですけど、今ちょっと二桁ぐらい上がってんですよね、なんか。すいませんね、ドン引きしちゃう方もいらっしゃるかもしれませんけども。

僕はスポーツで、今後生きていこうと。身体能力とか、そういったことで自分は社会から逃げ切ってやろうって思ってた時期があったんですね。それはだいたい小学校4年生から5年生くらいの時だったんですけど。ただね、日本の社会って意外と厳しくて、遊びみたいなこととか、スポーツみたいなことで、人生をやっていこうって言うと、そんな甘かないよっていうのが大半の見方なんですよ。

でほとんどの人が失敗しますし、大学ぐらいまですごいスポーツやるんですけど、なかなかうまくいかないみたいな現状が、スポーツ界の現状なんですよ。

でも!失敗したくないわけですよ。僕はこんなに子供の時に好きでもない勉強を頑張って、一生懸命トップたってんだから、大人になってらは大好きなことだけで生きていきたいっていう欲がすごい強かったんで、なんとか成功してやろうと思ったんです。

 

武井流スポーツ理論。一つのスポーツだけを極めることはギャンブルと一緒。

今回はちょっと僕のスポーツのトレーニング理論みたいなものを、皆さんにお聞きいただきたいなと思うんですけど。例えば、スポーツをしたいと思ってる子供がいて。こんぐらいの能力を持ってたとします。

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この丸の線の長さっていうのは基本的に同じだと思ってください。例えば一年トレーニングして、能力が伸びた。例えば筋力がつよくなったとか、そういったことが起きた時は、この丸い線が大きくなってくと思ってくださいね。

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でも、そうじゃない場合。例えば野球をやりますと。野球の練習を猛烈にすると。バッティング練習バキバキをと何千球も素振りして、そのバッティングの能力を高めたとします。そしたらその状態ってこの同じ子がやってそうなった場合、どうなるかって言ったら、この丸い能力がこういう風に、こうやって縦に伸びるわけですね。

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ひとつの業界でなにか頑張るってことは、それを縦にすごいトンガリを高くして伸ばしてく事なんですね。そして、この高く伸びた状態が、すごい技術の高いアスリートってことなんですよ。わかります?

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で、陸上選手とかもそうですけど、100mを10秒0台で走れるなんて人は、もうほとんど線みたいになって、もうほとんど横幅がないような、こんな状態でとんがりができちゃってると。

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だけども、この状態って自分の能力がこの線の内側なんで、隣(線の外側)に行ったらもうド素人なんですよ。わかります?

だから多くのアスリートや学生さんたちが、すごい一生懸命スポーツを10年間頑張ってきたんだけど、大学卒業するときに、その先、お金をもらってプロとしてスポーツ選手で活動することがほとんどの選手ができないっていうのが現状なんですよ。


ホントにギャンブルなんですよ

 

どうやったらスポーツをギャンブルにせずに済むかを考えた。

自分なりにそれから脱却するために、どんなトレーニングしたらいいのかなっていろいろ考えたんですよ。でも、そこに至るには道のりがあって。

まず最初に皆さん、テレビで聞いたことがあるかもしれませんけども。僕、小学校5年生の時に校庭で友達と野球やってて、あれ?と、毎打席ホームラン打ちたいのに、打てねえやって思った時があったんですよ。これ僕、すごい不思議だなって思ったんですよ。

これ理由わかる人います?

これ、今お水あるんですけど、これ開けて飲みたいなと思って、飲めなかったこと一度もないんですよね。

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わかります?あの、これ今飲みたいと思って、飲めない無理だ!!みたいなことないんすよ。

ホントにこれはいつでも口に入れて、飲める。

でも不思議じゃないですか?同じ事なんですよ。

自分の頭の中で、飲みたい。何々したいって思って、これはできる(ペットボトルの水を飲む)のに、なんでホームランを打ちたいはできないんだろうっていうのが不思議でしょうがなくて、先生から体育の先生から、体育代のお兄さんから、全員大人に聞きまくったんですよ。

 

「何でこれできないんですか?」と。

そしたら誰も答えがわかんないんですよ。「プロ野球選手だって打てないんだから、そんなトップクラスの人でも打てないんだから、それはそういうものなんだよ」って言っちゃうわけですよ。

 

え?じゃ、偶然なの?」って聞くんすよ、ホームランって。

いや、偶然って言うとそれに向けてすごい練習して、その能力を伸ばしたら、打てる確率がちょっと上がるんだよね。」なんていう答えなんですよ。

 

そんな偶然でしかうまくいかないものに、これから先10年かけなきゃいけないっていうのが、すごい心許なかったんですね。

父が気づきを与えてくれた、スポーツをする際のドツボ

じゃあ、何したらいいかって考えたんだけど、なかなか思いつかなくて、そんな時にうちのちょっとワイルドな父ちゃんが、当時、俺が三十何年前ですけど、ビデオカメラが発売されだしたんですね。VHSのこんなデカイやつ。それを買って俺の家にもってきたんすよ。

で、俺がキャッチボールとかしてんのを撮りだしたら、全然違うことやってたんですよ、俺。そんとき西武ライオンズのファンったんで、西武ライオンズのピッチャーの真似して投げてたのに、フォームが全然違うわけですよ。そしたら、なるほどと!

俺が何何したいと思ってできるのは、目に見えてるものを体とかに運ぶことだけしかないんだ。

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見て触ることしかないんだ。例えば投げるって言ったら、もう手は見えてないわけですよ。ボール持ってる手は。で、ここは、もう思ったとおりじゃないんだと。

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自分の視界から外れたところとか、まあ足なんか特にそうですけど、普段、こう足見て行動する人とかいないじゃないですか。野球やるときに、足見て打ってるやついないし。

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球見て投げるヤツいないじゃないですか。こうやって。わかります?

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それが原因だったんですね。俺は頭ん中で思った通りに動いてるつもりなだけで、思ったとおり動いてなかったわけですよ。このまんまスポーツやってたら、まさにさっきの棒(黒板に書いた細い2本の線)の状態になっちゃうと。

で、僕の能力はそんなもんだったんで、まず先に何しようと思ったかっていったら、自分の体を思った通りに動かせる練習をしてからスポーツやろうと思ったんですね。

 

自分の体を動かすコツを掴んだ途端、スポーツの上達スピードは早くなる

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まっすぐ横に腕をこう、あげましょうって言った時に、最初こうやってやってみたら(両腕を真横に上げる)、上に上がっちゃったんですよ、こうやって。肩よりも手が高いとこに。

で、パッてあけたら。うわっ!っと思って。まっすぐだと思ってんのに上に上がってると。見えてないところは、腕をまっすぐ上げることもできない俺なんだと思ったんですよ。そこから、毎日ですよ。色んな角度で真上もそう真横もそうですけど。

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全部繋がってて体のことって。例えば真横っていうのがわかってくると、真横のコツなんですけど、この中指から先を一番方から遠くにしようとすると真ん中になりやすい。だから遠いとこにあげるときは、意外と平行だったりするんですね。

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でその感覚があると真っすぐよりちょっと上とちょっと下もわかるんですよ。わかります?

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で、真上がわかったら、真上よりちょっと外とちょっと内もわかるんですよ。で、自分の体がだいたいそのへんにある感覚をゼロの時より明らかにはっきりわかるようになったんですよ。それを僕全部の関節でいろいろだんだんやってって、まず写真とかを見ると、その自分の体をその形にする能力だけは、ほかのどの選手よりも一ヶ月もやれば絶対能力が高くなるんですね

大体のことはそうなんですけど、自分たちが今全く知らないことを、ぶっちゃけ、1ヶ月本気になって全部調べたら、自分の周りの人間より大体のことは全部一番詳しくなりますから

で実際に僕自身、武井そうなんですけども、大学時代に出会った陸上競技で、僕はこういう能力をだんだん高めてって、色んな勉強をしてだいたい二年半ぐらいで、陸上の十種競技っていう競技の日本チャンピョンになれたんですね

 

日本チャンピョンになっても、自分の価値のなさを痛感。

陸上の十種競技なんてほとんどの人知らないでしょ?

十種競技知ってる人います?ほとんどいないんすよ。でも、自分はすごい価値のあるものだと思ってたんですね。

日本選手権ていう大会で格式があって80何回行われてて、それで、勝つと日本一、日本チャンピョン、日本の王者と呼ばれるようになると、その業界で。ただ一歩外出てみたら、誰もお前らのやってたことなんて知らねえよっていうのが現状だったんですよ。

でそれでお金を稼ぐとか、経済価値を生むっていうことが全くできなかったんですね

おいちょっと待ってくれと、やってもうたと思ったんですよ。そして、ちょっとずつ勉強するんですよね。

世の中で何か価値のある物っていうのはどういうものなんだろうかと。

で、以前ゴルフ留学に行ったんですけども。一年くらいですぐにパープレーぐらいで回るようになって。

いやー、俺才能あるなと。俺、このまま飯食ってけるんじゃないかと思ったけど、パープレーで回れるヤツなんて、ホント150万人から200万人ぐらいいるんですね。この世の中に。でさらにその、上にごっそりプロの選手たちがいてみたいな。

 

いや、このままプロになっても飯食えんなとか、そんな時期をもう散々過ごして、だいたい30歳ぐらいになっちゃったんですね。でそんな頃に、ちょっと衝撃的な出来事がありまして。

みなさんもご存知かもしれませんが、僕は8年間家がなかったと。31歳から39歳まで家がなかったんですけど。その理由がありまして、僕がそんなもがいてた時期に、ある芸能人の方と出会って、一緒にご飯とか食べさしてもらったり、野球をやったりとかし始めたんですよ。

そして、そこからいろんな芸能界の人脈が広がって。だんだんと、色んなものが見えてきて。その人たちにくっ付いていくと、「あっ、なんとかさんだ!」ってちょっと笑顔になるんすね。

その人たちがテーブルについて話し出すと、みんな「うわー!」って笑い出したりとか、もう笑顔になったりするわけですよ。もうこれが衝撃的でですね。この人たちは俺が欲しいもの持ってると、魔法使いじゃないですかと。

でその頃、歌手の森山直太郎くんとか、ピエール滝さんとか、色んな人に出会ってるんですけど。その人たちのライブ行ったら、本当にもう、歌うだけでみんな5千人1万人が「ぶあー!って」泣いたり喜んだりだすわけですよ。

なるほどと。「俺になくて、この人たちにあるのはこれなんだな」っていうのに、ちょっとずつ気づき始めるんですよね。

物事って、何が価値を生むかって言ったら、やっぱりもうこれですよね。「人が求める、数」だけなんですよ。

スポーツの僕のクオリティって、自分で言うのもなんですけど、ある程度高いものだと思うんです。各分野に行ったら日本一に取れる能力もありましたし、クオリティ時代はすごく高いものがあるんですけど、価値がないと。

なぜなら、それを求めてる人がすごい少なかったからなんですね。

例えば、世界で最高品質の何か商品を一個作りましたと。明らかに地球上で最高のものなんです。だけれども、誰にも告知してないんで、ひとつも売れてません。

これって社会的価値ありますか?

ないですよね?

でも、世界で10番目ぐらいのものなんだけど、世界中の人が使ってて、世界中の人が欲しがってて、一年に10億個売れます。これってすごい経済価値をうみますよね。それが多分社会的な価値だと思うんですよね。

 

現代の日本の陸上競技の実態

陸上競技見てみましょうか。陸上競技って世界中で誰もが知ってるメジャースポーツなんすよ。

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だけど日本の陸上競技ってどうなってるかっていうと、たとえば、陸上競技100m、200m400mとか色んな種目があって、だいたい25種目だとしましょうね。キリのいい数字で。25種目あると。

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しかもこれが女子もあるから25あったら、50種目あるわけです。で日本選手権。だいたい日本50人ぐらい参加するわけです、1種目。

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で50人がこの50種目出てるってことは2500人いるわけです。日本最高峰の大会に出場する選手が2500人いるってことなんですね。

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で国立競技場ね。ついこの間取り壊しになった、あの国立競技場。あれ満席で、だいたい5万人ぐらい入るっていうわれてるんですよ。まあ、6万はいるっていわれてるんすけど、だいたい5万人入ればどんなスタジアムも満席なんですね。

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でこの2500人が5万人生むには、1人の選手が20人、たった20人呼べば、5万人が満席になるんですよ。

でも陸上の日本選手権は満席になってるのを見たことないです。一度も。2500人のその道のトップの選手たちが争う、年に一回しかない大会を見に行きたいと、思って足運ぶ人が、ぶっちゃけ1万人いるかいないかなんすよ。

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ってことはこれ以下の価値ってことなんです。ひとりひとりの選手の価値って。一人に対して20人ぐらいも、生めてないってことなんですよ。これが、今のスポーツ界の現状です。

 

武井壮が現代のスポーツジュニア育成に物申す。

最近ね、僕すごく違和感があるんですよ、スポーツ界に関して。

「ジュニアの教育しましょう」って言うじゃないですか。ジュニア育成しましょうって。確かにジュニア育成を初めて日本のスポーツのレベルは上がったと思います、平均的に。

で、あのトップ選手みたいな錦織圭くんみたいな子だったりとか、石川遼くんみたいな子だったりとか松山英樹くんみたいな子だったりとか。大谷選手みたいな色んなトップ選手生まれましたけど、そうじゃない選手が、輪をかけてさらに増えてるわけですね。成功してない選手っていうのが。

なんで成功してないかってったら、誰も見たくないからなんです。ほとんどのスポーツ選手がプロになれない理由はここなんですよ。お客さんを呼べない。

でももし、この選手たちが、1人、100人呼べたら。25万人見に行きたいと思ってるってことになるわけですよ。そしてら、5万人はいるスタジアムのチケットは即日完売ですよ。僕は、もうこれを増やすことが、価値だと思うんですけど。

でも!そういったことを全くわからない子供のうちに、自分の、親として携わってきたスポーツだったり自分の好きなものだったりを子供にやらせて。子供は大人になったら、自分のやってるスポーツがどういうものになるのか、自分がその社会的価値を生めるのかどうかもわからない波の中に、ボーン!と放り出されて。で、しかも自分の思った通りに動かない体を使って、毎日うまくいくかどうかもわからない確率でスポーツをやって、トップになれるかどうかを競わなきゃいけないわけですよ

僕は今のジュニア育成の形っていうのは、中途半端なアスリートを育てちゃうような現実だと思うんですね。僕はこれがすごくもったいないなと、思うわけですよ。

 

武井流、子供の育て方

まあ、もし僕が親だったら。まずしっかり中学校ぐらいは義務教育行かせて、で高校ぐらいから、俺インドいかせます。

インドって数学がすごい発達してるんですよ。まあ、シンプルな考え方です。

パソコンとかを扱うのに必要な二進法とか、そういったものがふんだんに取り込まれた数学の教育を行ってて。しかも、英語とヒンディーが共通言語になってまして。

アメリカのシリコンバレーとか行くと、もうエンジニアさんとか、ほとんどインド人だったりするんですよ。インドは結構これからそういう競争率が上がるんじゃないかなと。だからこの辺の教育を、若いうちに受けさせておきたいなと。

そしてパソコン使って自分でビジネス始められるぐらいの能力はちょっと高校卒業するぐらいまでには身につけてほしいななんて。

でここで!スポーツもやらしておきたい。その僕が教え込んだ能力で。

そしたらクリケット始めようと。(教室に笑いが起きる)

皆さんすごいお笑いになられますけど、クリケットのことみなさんご存知ですか?クリケットって、世界で2番目に競技人口の多いスポーツなんですよ。一番目がサッカーです。で2番目がクリケットなんですよ。

でクリケットで一番稼ぐ人の年俸ご存知な方います?

だいたいおいくらぐらいだと思います?

プロ野球の選手とかでだいたいトップ選手5億とかでしょ。クリケットの選手いくら稼ぐかご存知ですか?………27億

そんなこと知らないでしょ。プロ野球選手の比じゃないんですよ。何でかっていったら、単純な話ですけど、インドの人口12億いるんですよ。日本の約10倍です。まあ、当たり前の事ですけど、人口が多ければ企業が投資する価値があるってことなんす。

で、もうクリケットはインドでは国技みたいになってて。インドの空港降りると、もう街中のビジョン全部クリケット放送してんすよ。でクリケットの選手は本当にインドなら誰でも知ってるっていう。

クリケットのチャンピョンシップなんかもうインド人はほとんど見る、視聴率が80%超えるんすよ。でそれをしかも、丸2日とかやったりするんですよ。試合終わんないんであれ。それを、ずーっと企業はそこに協賛して、自分の企業の名前が競技場の端っこにずーっと流れてんのを、もう国民12億人が大勢いるところにPRできるわけですよ。で広告の効果が抜群に高いと。

でもこんなこと全く勉強しないでしょ。スポーツ始める前って。でももしですよ。大人の我々が、こういうことをきちんとわかってて、あのこう言うスポーツをやるなって言ってんじゃないんです。

可能性の問題で、子供の10年間をギャンブルにしないために、思った通りに動く体の使い方を教えてあげることだったりとか、あと自分のスポーツがどういう経済価値・社会的価値を持ってるかっていうことだったりとか、そんなことを、二時間でも三時間でも研究した親がいますかって事なんですよ

自分の体の動かし方を知って、そのスポーツの価値を知って、将来このスポーツでこの立場に行けば、こんな社会的価値が手に入るっていうことを、もし大人が教えてあげられて、それを子供と共有できたら、それが僕は本当のジュニア教育だと思うんですね。

人が求めてることを極める。それが自分の価値を高める。

僕、さっきも言いましたけど、エンターテイナーの人に出会って、その人たちが出会う人出会う人を笑顔にしてくのを見て、こういうことだなと。人が求めてるってこういうことなんじゃないかなと思って。

そこから、自分が成功したいと思ってただけでやってたスポーツを変えてみたんですよ。世の中の人が、彼らみたいに、楽しみに見てくれる人になれないかなって思いだしたんですね。

そこから色んな事変わってきまして、僕はホントに自分がチャンピョンなりたい、成功したい、お金持ちになりたい、強くなりたいって思いでトレーニングして、試合に出てましたけど、それも自分のためだったんですね。自分が有名になるため、そうじゃないと。

この人たちの価値は自分が芸能人としている事じゃなくて、いることで(芸能人として)周りの人が笑顔になったり元気になったりしてることが、この人たちの価値だと思ったわけですよ。その人たちのライブだったりを見てくうちに。

だから人の価値・商品の価値っていうのは、そのクオリティじゃないんですね

スポーツのクオリティでもなければ、商品のクオリティでもなければ、トークの面白さだけでもないんですよ。それを見て、喜んでくれる人の数だっていうことに、30歳ぐらいののときに気づいて、その活動を始めたんですね。

でも僕には人を楽しませるトークの術も何にもなかったんですよ。だからその日から家を借りんのを止めて、西麻布にいき、芸人さんたちの集まるバーにいって、自分の洋服とか鞄に全部ICレコーダーを仕込んで、皆さんがトークして「わっ」って笑いが起きてるところを全部編集して、繋いだ、CDを車ん中で流して一人でずーっと聞いてたんですよ。

8年かかったんですね。8年ずっとその人たちのおしゃべりの声の感じと間を、全部真似して、車の中で一言違わず喋れるようになってたりしてったんですね。

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そうしたら、今年。世界マスターズ陸上っていうね、40歳以上のおじさんたちが一番足速い人を決めるみたいな大会で、今年金メダル取らしていただいて、大した記録でもないし、現役選手の方が全然速いタイムで走るのにもかかわらず、ぼくの優勝が決まったフランス時間の、その1時間後には日本のヤフーニュースのトップになってたんですよ。

これってホントに僕ありがたいなと思ってて。だから僕が今持ってる価値とか、僕がいただいてる収入とか、そんなものなんてのは、自分のクオリティで手に入れたもんじゃなくて、明らかに、僕に皆さんがつけてくれてるものだと思うんですね

どんな仕事しても、どんな趣味持っても、どんな希望持っててどんな夢があっても、それを、誰かが必要としてなかったら、僕は価値がないと思います。

それは30歳ぐらいのときに、僕が日本一のクオリティを保っているのにもかかわらず、1円も稼げなかった僕が一番感じたことであり、真実じゃないかなと思うんですよね。

だからできる限り、若いアスリートたちには僕みたいなタレントのことを羨ましいと思ってほしいんです。なんであの人、記録も大したことないのに、あんなに色んな人に応援してもらって、たくさんのお給料もらって自分の好きなスポーツを自分のお仕事にできてるんだろうと。

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この20人にも満たなかった、自分のチャンピョンとしての能力が、今は皆さんのおかげで何百万何千万というものになっているってことなんですね。

僕、こういうこと知らなかったです全然、スポーツやる時も始める時も。チャンピョンになった時も。でも大人になってからどんどん色んなこと勉強して、お仕事いただいてて。ほんとに朝から晩までお仕事が詰まってるんですけど、それでも、必ず終わった後に1時間トレーニングをする。

で今自分が持っていない能力を少しでも磨いて、昨日の僕より今日の僕が成長してあげるようにする。それと、今僕が全く知らないこと。例えば初めて聞いたニュース。それを「一時間、必ず勉強する」っていう調べるっていうことを、この2時間だけ、どんなに遅くて間がなくても必ず自分にプレゼントしてあげるようにしてんですね。

ぜひね。私、武井壮。1番子供ですし、一度も就職したことありませんし。どうしようもない子供ですけども、もしかしたら、この子供のまんま、ずーっと大人な社会を歩いて行けるんじゃないかななんていう幸せを感じておりますよ。

ぜひ皆さんにも、1日10分でも、20分でも、30分でもいいんで、今自分の持ってない知識だったり、自分の持ってない能力だったりをより伸ばして。今もし密かに持ってる夢とかがあったら、それを「大人になっても絶対叶うよ」っていうのを、メッセージとして送りたくて今、芸能界で僕はスポーツをやってますんで。

子供たちが、より無邪気に子供時代を過ごして、いや大人になっても、うちのお父さんみたいに一日一時間使って夢が叶うんだから。一個ぐらいスポーツ失敗したって、一個ぐらい受験失敗したって就職活動失敗したって、いつまでたっても夢を見れるよと。

「お前俺の背中見とけ!」と。俺は毎日、「自分の時間使って夢叶えてっからと」。「おーし!叶ったと!」「ほら見ろよ!」って言える大人に、一緒に成長していけないかなっていう、それが本来の子供と大人の関係じゃないかなと。

それが大人の育て方なんじゃないかなって、今の僕が感じる、全てでございました。

 

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