最近何かとChatGPTがAI界隈を賑わせていますね。
その動きに対して黙っていないのがGoogle。
なぜなら、Googleの根幹ビジネスである検索エンジンがOpenAIが開発したChatGPTによって駆逐されてしまう可能性を秘めているからですね。
それ対抗してGoogelも自社開発の大規模言語モデルLaMDAを活用してApprentice Bardというチャットボットサービスを急いでローンチすると発表しました。
Google、ChatGPTに似たサービス「Apprentice Bard」を開発
Googleは2022年11月30日に登場したChatGPTに似たチャットボットサービス開発中とのことです。
なぜかというと、ChatGPTの急激なユーザー数の増加が原因。
OpenAIが開発したチャットボット(ChatGPT)はあまりにもクオリティが高過ぎて様々な用途に使えることから、Googleも非常に警戒してしまっている様子なんです。
それはどれほど警戒しているかというと、Googleの経営陣はコード・レッドを宣言するほど。
それからGoogleはChatGPTに似たサービスを作るために、チャットボット開発に社内のリソースを集中させるような経営的な舵取りをしたということがわかりました。
出典:https://www.cnbc.com/2023/01/31/google-testing-chatgpt-like-chatbot-apprentice-bard-with-employees.html
「Apprentice Bard」はLaMDAという大規模言語モデルを活用
それでは「Apprentice Bard」とはいったいなんなのでしょうか?
今知られているのは以前からGoogleが独自開発していた大規模言語モデルである「LaMDA」がベースになっているとのこと。
LaMDAはLanguage Model for Dialogue Applicationsの略称で、対話システムなどのアプリケーションに利用することを想定しています。
LaMDAはChatGPTと同じように自然な言葉での会話を再現することができるようになっており、複数の言語に対応しています。
GoogleはLaMDAを活用した対話アプリケーションの開発や、今後の人工知能技術の可能性を探求するために着々と活用する予定でしたが、ChatGPTが彗星の如く現れたことで社内の一部のリソースを総動員するほど急激に開発を進めることになったといわけです。
じゃあ、LaMDAのってどれくらいすごいの?って気になると思います。
それがわかるようなGoogle社内のエピソードがワシントンポストに掲載されたので下記に共有します。
GoogleのエンジニアであるBlake Lemoine氏は仕事の一環として LaMDA が差別的な発言がないかどうかをチェックする仕事をしていたそうです。
そんな彼が「LaMdaが意識を持っていることを社内の上層部に報告をした」という記録があるほど。
出典:ワシントンポスト
Lemoine氏は大学で認知科学とコンピューター サイエンスを学んでいたようで、それなりに人工知能に関わる専門知識はあるはずです。
そんな彼が「LaMDAに意識がある!」というような発言をしたのは驚きではありますよね。
ChatGPTとApprentice Bardの違いは学習データの中身
LaMDAの言語モデルを使ってGoogleはApprentice Bardを絶賛開発しているとのことですが、ChatGPTとはいったいどんな違いがあるんでしょうか?
それは学習データの中身です。
ChatGPTは現状では2021年までの学習データを元にして開発されているのに対し、Apprentice Bardは2023年までの学習データを反映したチャットボットであると言います。
学習データの面を見るとApprentice Bardの方が最新データが反映されています。
なのでこのGoogleが開発したLaMDAのモデルを使ったApprentice BardがローンチされるとChatGPTの地位も危ぶまれることになるかもしれません。
コード・レッドとはGoogleのビジネスを根底から変えてしまうかもしれない技術的革新に対する脅威が到来しようとしているというときに出される宣言のこと。