最近世の中を見ていると頼みごとを断れない人が多くなっている気がします。元々断れない性格で、仕事でも何でも依頼を受けてしまう人は、なかなか自分の時間が取れず、行き詰った時間を過ごしているのではないでしょうか?
時には断る勇気をつことが、自分のやりたいことへの時間が増え、成長のための時間も確保できる大事な考え方であると思います。しかし、僕もそうですが頼みごとをされると、人に嫌われたくないとか、申し訳ないとかという思いが出てくるものです。
今回は「断る勇気」の大切さをわかっていただき、逆に相手にやらせることの重要さも理解して頂ければと思います。
「できません」を有効に使おう
一見、「できまでん」「無理です」というと何か悪いことのように思えます。でも考えてみてください。自分の仕事が溜まっている状態で仕事の依頼をされてもできそうにありませんよね?
ですが真面目すぎる人や責任感が強い人ほど断れずに「はい」と引き受けてしまいます。「はい」と答えてしまった以上、その仕事を精一杯やらざるを得なくなります。そして自分のための時間がいつまでたっても作れない悪循環に。
結局、断ったとしても会社という組織にいる以上、その仕事は誰かによって処理されていきます。その理由はご存知でしょうが、会社員で働いているということは「代わりがいる」ということではないでしょうか?この事実は決して悪い意味ではありません。「代わりがいる=自分が不要」というわけではありません。
何も重く捉える必要はないです。自分が忙しい時はただ単に誰かに代わりにやってもらえば済む話です。誰かにやってもらえば自分の時間は増えて楽になっていくはずです。ワークライフバランスを大切にしましょう。
断れない人が抱えるもう一つのデメリット
僕は人がどんな理由でその行動や態度、発言をするのかにとても興味があり、普段いろんな心理学の本を読みあさっています。そんな勉強をしていく中で断れない人のデメリットについて、「自分の時間が作れない」という他に、もう一つのデメリットを見つけました。
それは「人間関係も悪化」してしまうということです。
自分が仕事で忙しいタイミングで仕事の依頼を引き受けてしまった場合、依頼された仕事は焦ってミスを起きやすくさせますよね?ミスをすると人怒ります。そうやってできないのに出来ると言ったがためにミスを連発していく循環が回っていきます。
ミスの連発が続くと相手は自分に対して好意を抱かないはずです。当たり前ですよね。こうやってあなたが「断れない」がために悪い人間関係が出来上がっていくのです。
やってもらうでWin Winの関係に
これまで自分が断れないがために人間関係まで悪化させてしまいましたね。しかし、心配ありません。それを修復する方法があります。
いろいろ心理学の本を読んでわかったことを元にお伝えしたいと思います。どいういうことかというと、Win Winな関係になるには、そもそも人を好きになるロジックについての話までさかのぼります。
例えばあなたに好きな人がいたとして、どうしても付き合いたいと思っていたとします。あなたならその好きな人にアプローチをするときにはどんな方法で相手を落とそうとしますか?
普通は相手に対してプレゼントを上げたり、相手に気遣いをしていろいろ「やってげる」と思います。もちろんそれは決して間違っていませんし、やり方としては一つの方法です。しかし、あまり自分の労力を使わずに、楽に相手が自分に好意を持ってもらえる方法があればいいと思いませんか?
それは相手に「やってもらう」ことです。「やってもらう」ってなんか申し訳ないと思っている人がいるかもしれませんが、そんなこと思うことはありません。
人は「やってあげた相手を好きになる傾向」がある生き物だからです。この理由は実に簡単です。人は行動と感情について辻褄を合せようとする生き物だからです。つまり矛盾がとても嫌いになるようにできているんです。
相手にいろいろやってあげていると、矛盾したことが大嫌いな脳が「相手に尽くしている」という行動に意味を持たせようとします。すると辻褄を合せるように、脳内で何が起こるかというと、「相手に対してこんなにやってあげているのは自分が相手のことが好きだから」と錯覚が起き始めるのです。こうして「好き」が出来上がります。
人間の脳はとても騙されやすく、行動から感情が生まれたのか、感情から行動が生まれたのかがわからないようにできています。今回の人に「やってもらう心理」の場合は前者から引き起こされる好きという感情なんです。
よくカップルで聞く話ですが、彼女が彼氏にいろいろと尽くしてばかりいる関係が存在しますよね。これはやってあげることで「自分は必要とされている人間」だという自己重要感が満たされるからです。
彼氏が不器用で何もできない人だったら、なおさら母性本能は刺激され、ますます尽くしてあげたくなる循環が回っていきます。やってあげたことに対して「ありがとう。助かったよ。」という感謝の言葉が返ってくれば、なおさら、またやってあげたくなり、より相手を好きになっていきます。
話が少しそれた気がしますが、本質に戻ると仕事において「断る」だけではなく「頼む」ことを増やしていくことで、だんだんと相手が自分のことを好きになっていく仕組みを作れます。
ただし、注意点として相手にやってもらったことに対しては必ず「大いに感謝」するようにした方がいいです。人は「感謝=褒められる」ことで自分は認められている・必要とされていると思い、次回またやってあげたいと思える性質を持っているからです。
そうやって「断る」「やってもらう」「感謝」の3つを駆使していけば、自分はやることが減って楽になり、人間関係までよくなるという好循環が生まれます。
これらは当たり前のことかもしれませんが、意外とできていない人が多いので意識して自分のものにすればこれから先の人生、楽勝になるかもしれません。
まとめ
「断る」ことで自分の時間が増える。
そして人に何かをやってもらうことは、お互いにWin Winの関係を作る。
具体的に言うと自分はやることが減って楽になる。相手は自己重要感が満たされて自分のことを好きになるといういい人間関係が出来上がる。
