先日、12月13日(金曜)にウェブマーケティングイベントへいってまいりました。
その名も「失敗しないサイト改善KPIと分析手法」というわけで、お話の中心がCROという内容をひっきりなしに語っていくという講演会でした。
電通さん主催?のイベントで、登壇者の方も非常に面白くてサイト分析屋さんなどの代表4,5名がCROというテーマについて語っていくという内容でした。
CROとはなんぞや?と思っている読者の方も多いかと思います。いきなり結論から言ってしまうとウェブから売り上げたかったらKPI設定をちゃんとせよ!という印象が強かったです。
今回はそんなウェブからの売り上げを上げるために必要なKPIの考え方についての落とし穴だったり、成功するためのヒントなどを備忘録的に記していきます。
目次
CROとは?
CROとはコンバージョンレート最適化(onversion Rate Optimization)のことです。
SEMやEFO、LPOなどCVR(コンバージョンレート)を上げるために必要なものであれば手段はぶっちゃけ様々です。CROには非常に広い意味が含まれます。
最適化の意味に含まれるものとしてはUXハック(めちゃ端的にいうとユーザー目線が重要だよ)と言う考え方が非常に関係しています。
このイベントの冒頭ではそもそも日本のマーケティングにはCROという考え方が定着していないという主張が強かった印象です。
それを根拠づけるデータが示されていました。
・日本におけるCROの現状
上記のデータからも分かるとおり、日本ってサイトのCVRを上げようっていう取り組みが海外ほど積極的じゃないんじゃない?ってことが分かる一つの根拠になるのではないでしょうか?これを見てぼくは妙な説得感に見舞われていました。なぜなら、自分のクライエントさんにも思い当たる節があったからです。
ではなぜこのような現状が日本にはあるのか?と言うことを今回のイベントではこう結論づけています。
それは、日本はCVR向上という意識が置き去りになりがちな組織文化があるのではないか。
CRO最適化に向けて正しいKPIの設計ができるCV獲得担当者がいないのではないか?
そんなことが日本にCROが浸透しない根本的理由じゃないか?と言う結論づけがなされました。
その上で今回はCROのプロとしてサイト改善の第一線で活躍されているプロフェッショナルの代表4,5人がCVRを上げるためのKPI設計のノウハウをお話ししてくれました。
【CROの手法1】ユーザーの行動パターンを最適化!勤怠管理ツール会社の事例
まずこのお話の理解のための前提条件として、この会社は下記のような強みがありましたが、とある問題意識がはっきりしていました。
「単に勤怠管理ツールを提供する会社ではなく、働き方改革まで可能なツールを提供する会社」であること。
なので働き方改革ツールであるという強みがあったけれど、ユーザーにそこまで深い理解が及んでいないということが問題
がありました。
※問題点が判明したかというとヒートマップツールによる分析結果で浮き彫りになったそう。ユーザーが目的のコンテンツへの到達が少ないことが問題だった。
施策を考えるために実施した分析手法
まずユーザーのサイト内の動きについて、代表的な行動パターンを把握していくことからスタートします。
把握できたら、成果に向けて好ましい行動パターンについてはその行動を強化するように、好ましくない動きに関しては抑制できるようにサイト改修を行なっていく流れをとります。
このようにユーザーの行動パターンを把握して、そのユーザーの動きを成果の出るようにサイト改善を進めていく調整を行なった結果、CVRが向上したといいます。
この事例については実は以上です。
ちなみにですが、この事例で出てきた改善手法を生み出すためにその準備段階として様々なフレームワークを使用しています。
例えばカスタマージャーニーマップやらコンセプトダイアグラムやら使うことでKPI設計が捗るようにしているそうです。
やはりいろんなフレームワーク使うもんですねー。
【CROの手法2】定量データ第一主義
お次は三井住友カードのサイト改善についての事例でした。
ですがそもそもこのイベントは資料をいただけなかったのでメモのみのイベントレポートになります。なので具体的な数字を元にした表現でアウトプットできません。申し訳ないですが悪しからず。あくまでも参考程度にとうことで。
気を取り直して説明すると、分析の基本的流れとしては下記のような流れを踏むことで正しいKPIの設計にたどり着きやすくなるといいます。
「定量データ把握」→「ユーザー行動の把握」→「A/Bテスト実施」
上記で以上なんですが、これだけじゃイメージつかないでしょうから、僕のお仕事である運用型広告の改善に例えて内容をなるべく噛み砕いて解説します。
「定量データ」の把握から改善施策を導き出すの手順の紹介
例えばCPAが高いキャンペーンがあったとしましょう。まずは「定量データの把握」です。
そしてその主要因となっている原因としては費用が多く使用されていて以前よりCVRが低下しているKWを把握できたとします。
いわゆるこのCVRが以前より低下しているKWがあるという数字的な原因を把握することが「定量データの把握」というわけです。
次に「ユーザー行動の把握」でしたよね。
ここではCVRが低くなっているKWの原因を「ユーザー行動」の面から考えていくというわけです。
つまりCVRが低いということは潜在的なユーザーが増えているのではないか?などと仮説を立ててみることです。
そしてその仮説を実証するためにはどんな確認方法があるかなーと考えます。
ここでは潜在的なユーザーが増えたという仮説を実証するためにそのKWの検索クエリを確かめてみたところ、ビジネスと関係ないクエリが多くなっていたことをがわかったとします。
ということはつまりKWのCVRが低下した原因はビジネスと関係ない検索クエリで流入してくるユーザーが増えたからということが把握できました。
そして次にA/Bテストですが、ここではただ単にA/Bテストという意味だけではなく、単純に結果をもとに施策を展開するという文脈で捉えるとより柔軟な発想ができそうですね。
【CROの手法3】常に課題ベースの施策であれ
三つ目のCROの手法として、課題ベースからKPIを組み立てていくと言う捉え方のご紹介です。
施策を考えるときに課題から考えるなんて当たり前じゃん、と思ったそこのあなた。
そのとおり。
だけどみんなこれできてないんです。わかっちゃいるけどできない系のやつです!僕も含めてね!
ほんで
改善策考案のために重要なことは課題ベースの施策であるという表現を強調していました。
よくありがちなのは施策ベースの施策であることがズレたKPI で施策を展開してしまう要因になりうるというわけですね。
この考えではサイトが成果につながらない理由の多くがユーザーの感情を的確に捉えていないことにあるということが個人的には大きく共感しましたね。
広告でも配信しているのは結局は人である以上、ユーザーファーストな施策は常に必要なマインドであることは当たり前のことですが、最重要項目になるわけです。
話を戻すと、このユーザー感情を的確に捉えていないと言う部分に関しての具体的な対策としては、得た結果(数字など定量的データ)をもとにして、そこから成果が出ない原因をヒューリスティック分析やユーザーテストを実施していくことで課題を見つけ出そうとする試みがメインになってきます。
つまり、効果が出ない理由を把握したければ、極端な話クライアントの商品を買って試してみろ!と言うわけですね。
ユーザー目線になってみて初めて問題点が分かって、課題点が見つかるんです。
課題抽出は必須
改めてですが、施策を出す前に課題抽出は絶対です。
筆者的にこのセッションでしっくりきた登壇者のお言葉があったのでそれを共有すると「課題が見えると施策が見えていくる」
はい、なるほどね。
分析において課題抽出は大事であるとなんとなくわかっていましたが、この言葉でガツンと気付かされたというかモヤモヤとしていたものが言語化されだという気分になったんです。
ふむふむという感じ。
で、明確な課題がわかればそれに向けて施策のバリエーションも色々見つかるわけですよ。そこからどれが最もビジネスインパクトがあるかを考えやすいですしお得です。
あとその上で余裕があればユーザーファネル(潜在層、準顕在層、顕在層)ごとの施策を用意してあげて、KPIをそれぞれの層に応じて立てた方が良いでしょうね。
より本来のビジネスゴールに沿った正確性のある計画が実行できるんではないでしょうか、と感じました。
【CROの手法4】中間KPIから逃げない
最後のCROのお話です。
結論から先にお伝えしてしまうと中間KPIは作らないということが衝撃的でした。
え?え? って
その一言話の全てでした。
この理由は中間KPIを作りすぎたり、とらわれ過ぎるとKGIがぼやけるからというものでした。
なんだか今回のイベントを打ち壊すほど勢いのある考え方ですが、全然一理ありますね。
中間KPIなんかつくらないと、にむしろ重要なのは施策を回した回数。
申込数や問い合わせ数をKPIを設定するのではなく、むしろ施策を回した回数をKPIに設定すべきと言う面白い発想でした。
実際にその思考でうまくいっているのでしょうから自分の仕事にも役立てて見るのは全然ありですね
おまけ(トークセッションについて)
このイベントの後半戦ではトークセッションがありました。その内容について自分的に興味深い内容があったので共有していこうと思います。
Q:事業成果に貢献するKPIと施策KPIを選ぶ基準は?
ビジネスボリュームが一言の答え。
ビジネスボリュームとは例えばECサイトのKPIを考える際に、客単価を見るかCVを見るかでだったら客単価。
なぜなら客単価を上げるというKPIはクロスセルを狙うなどのビジネス売上向上のインパクトがあるから。
本来ならばそれぞれのKPIは一致しているのが理想。ECサイトだったら一致しがちだからいいよねーと言う感じでした。