〔Q思考〕「著者:ウォーレン・バーガー」これからの時代、質問の仕方を学んでいないと絶対情弱になる!

Q思考を読んだので備忘録としてメモしておきます。

この本はざっくり説明すると、思考術の本です。

複雑な問題も、シンプルな問いをするための方法を知っていることで、誰もがその問題の本質をつかむことができるということが、語られています。

その本質をつかむ方法がぎっしり詰まった本です。

ページ数は400ページ近くあるので、あまり読書をしない人にとっては多く感じるかもしれません。

ですが、しっかりと読めば必ず質問することの重要性に気づくはず。

「Q思考」著者紹介

著者はウォーレン・バーガー。

この方はイノベーションの分野に強みを持つアメリカのジャーナリストです。

世界の様々なトップ起業家やイノベーターがいかにして疑問を抱き、独自のアイディアを生み出し、問題解決に至ったのかを取材。

著書「Q思考」はニューヨークタイムズ紙など様々なメディアで賞賛され、世界のビジネスリーダーたちに影響を与えました。

出世することと質問の数は比例している

Q思考では質問する人ほど出世しやすくなると指摘していました。

これは納得です。たしかにより多く質問が浮かぶということは、そのことへの興味が強いということが言えます。

そもそも興味がなかったら疑問すら湧いてこないですよね。強い興味があるからこそ、疑問を解決するための行動量も自然と増えてくるので普通の人より試行錯誤が繰り返されるようになる。

結果的に人よりたくさん行動できるようになるから、理想の結果を出す回数も多くなる。

だから出世することと質問の数は比例しているんだと感じます。

特に大人になると現状を受け入れ、疑問すら抱かなくなるようになりやすい人が多いと思います。普段からとにかく質問する習慣を身につけなければいけない気持ちにさせてくれました。

自分で行動しなければ、疑問はぼやきになる

何かに疑問をもっても、実際に行動に移せる人は意外といないものですよね。

思いついて終わりみたいな。その心情をわかりやすく表現している言葉がありました。

それはアメリカ国防高等研究計画局の局長のレジーナ・デューガンは以下のような言葉です。

「この問題は、誰かが自分より賢く、能力が高く、知識や情報を持っている人が解決してくれるはずだ…しかしそんな人はどこにもいません。」

人は心の中では、実は自分で自分のことを決めたくないと思っていていて、周りの人間が手助けしてくれたらいいのになという願望があると感じます。

人はそう思いがちだから、ダイエットが成功しなかったり、人間関係の悩みが解消できなかったりすると思うんです。

ダイエットならリンゴダイエットとか、バナナダイエットとか一時期流行りましたよね。

でもそのダイエットの有効性について自分で調べていたら絶対にやらないはずなんですね。

とにかくバナナダイエットがいいという情報だけで実行に移しちゃうのは、他人がくれた情報を頼りにしすぎている証拠。

疑問をそのままにしないで、実際に行動に移せる力があれば、バナナダイエットの落とし穴に気づけるはずですよね。

だから疑問は行動することとセットじゃないと成立しないことが学べます。

優れたビジネスリーダーほど「謙遜と自信」がある

僕のようなサラリーマンは社会人経験が進むにつれ、どうしても仕事へのプライドや意地みたいなものが強くなっていく感覚があります。僕はweb広告という専門職についているので、プロとしての自信を持つようにしています。

しかしそれゆえに他人の意見を素直に聞けなくなったり、過去の成功・失敗体験から新しいことを仕掛けられなくなって、自己成長の機会を逃している可能性があります。

本書では優れたビジネスリーダーの特徴を紹介していました。それは以下のようなものです。

「彼らは知識がないことを認めるほど謙虚であると同時に、他人の前で自分の無知を認められるほど自分に自信を持っている」

特に会社という組織の中では、マネージャーや社長などのビジネスリーダーほど、完璧であろうと振る舞うでしょう。

自分の無知を認めてしまうと周りからの信頼を失うのではないかと怖さがあるからです。

ですが、上の立場の人間ほど、自分は無知であるという弱さを周りに見せることで親しみやすさを表現していく事が大切であると気付かされました。あの強く完璧だと思っていたビジネスリーダーが弱みを見せてくれたと感動し、今より密なコミュニケーションが展開できるようになるかもしれません。

その意味では無知であることは自分に成長を与えてくれる嬉しいものだということがQ思考から学べます。

なぜ大人は質問の回数が減るのか

あなたは大人になるにつれて質問の回数が減っている感覚はありませんか?

僕はかなりあります。

「Q思考」ではそのような質問の回数について以下の事実が紹介されていました。

「幼稚園児は、平均すると毎日100の質問を親に尋ねる。ところが、中学に入るまでのあいだに、見事なまでに尋ねなくなってしまう」

もっとその事実を正確に把握するためにその事がよくわかるグラフを見てみましょう。

以下のグラフは学年が上がるにつれて、作文と読解力は向上していきますが、質問の回数は減ってくるということを表しています。


作文(文章力)や読解(読解力)の能力が上がるにつれて見事に質問回数が減っていますね。

また以下は学年が上がるにつれて学習意欲が低下していくことを表したグラフです。

このことから、人は能力か高まるにつれ、質問しなくなり、学習に身が入らなくなるという事がいえますね。

幼稚園児は小学生に比べて多くの質問をするといいます。その理由としては幼稚園の環境というのが小学校より自由な状況に身を置かれるから。

そういった自由があるおかげで、いろいろ調べてみたい、学びたいなど、質問をする機会が多く持てるようになります。

あまり小さな時に多くのことを大人が教えすぎると、質問する必要がなくなるので、好奇心を抑制されることにつながる。

この自由というテーマから、新人の教育や部下の指導などの会社の組織においても、最初からあまり多くのことを教えることに重点を置くのは間違っているということが学べます。

ではなくて、最初の段階では課題を与え、自由に調べられるような状態にし、自分から学ぶ環境を用意する方が学びの意欲が強く保ちやすくなるでしょう。

そうやって自由を与えることで、質問の見つけ方を学ぶことの方が今の時代に合っていると感じました。

今の時代、答えより質問の方が価値がある理由

この「Q思考」の本では答えを見つけることよりも、良い質問をすることが大事だということを強調しています。

理由はインターネット時代の今日において、情報の価値が下がりつつあるからです。

パソコンやスマホの値段が昔よりも下がったことで、手軽にそのような知りたいことをすぐに検索できるようなテクノロジーを持てるようになりました。

さらにSNSやブログの普及で一般の人が手軽にインターネット上に情報を発信できるようにもなりましたね。

そうやって大量に情報が溢れかえった世の中になったことで、欲しい情報が埋もれて見つけにくくなっています。

そこで大事になってくるのが、自分の欲しい情報を正確に見つけるための質問力です!

インターネット時代の「答え」と「質問」の価値について、わかりやすい例えが説明されていたので以下に紹介します。

「質問」と「答え」を上場株に例えると、現在のような環境では、質問の値段が上がり、答えの値段が下がっているといえるだろう

なので一番危ないのが、社会人経験が長くなるにつれて自分の所属している業界の常識や専門的な知識により詳しくなってしまうことです。詳しくなればなるほど質問する必要性が薄れてしまうことがもったいないのです。

専門知識が深まることは確かに良いことです。ですが、逆に考えるとその経験や知識に固執してしまいがちになります。こだわりが強くなりすぎて、新しい変化がしづらくなるという不利な点が存在していることがわかります。

仕事でもなんでも、時には子供のような無邪気さがないと、新しい発想が出づらいので、要注意ですね。

5つの思考の習慣で正しい答えに導きやすくする

これまで質問をすることは答えよりも価値があることを知りましたね。

ではいきなり、質問をしろといってもなかなか深い質問が思い浮かぶことは難しいと思います。

そこで、本書ではあらかじめ深い問いを考えつくための思考パターンを説明していたので、紹介しようと思います。

最初はなれなくてスムーズに深い問いが思いつかないかもしれません。しかし、なんども繰り返し実践していくことで、以下の5つの思考の習慣が癖になり、考えなくても実践できるようになるはずです。

    • 根拠

何が「正」でなにが「間違い」なのか?

    • 観点

他人目線で考えると、どう見えるか?

    • つながり

何か共通点はあるか?過去に似たような事例はあるか?

    • 推測

それが異なっていたとしたらどうか?

    • 関連性

それがなぜ重要なのか?

上記のような深い疑問を持てるようになる方向性を知っていれば、いざ解決したい問題などがあった時により早く正確にその問題に取り組むことができるようになりますね。

もし、気に入っていただけたら活用してみましょう。

挑戦的質問という方法

時々、それ言ってもどうにもならなくね?という人がいませんか?

どうしようもないことを言ってくる人。つまり大前提に疑問を持ってしまう人。一見こういう人はうざいと思われがちかもしれませんが、実は結構大事なのです。

そのような「大前提に立ち返る」ような質問を本書では「挑戦的質問」と読んでいます。

挑戦的質問の特徴として「反抗的で、習慣や権威を疑う」という要素があります。

例えば「現状を受け入れて良いのか?」や「否定するあなたをなぜ受け入れなければならないのか?」

この「挑戦的質問」が常に良いものを生み出せる、良い状態でいられるようにするための大事な疑問だと考えています。

今の世の中、全くずっと良い状態で持続できるものはないですよね。だからこそ、このような大前提に立ち返るような反抗的な質問「挑戦的質問」を定期的にしてやらなければいけないと思いました。

質問を開いたり閉じたりして、質問のレベルを上げる

もしあなたにとって重要な問題が起きた時、その問題を解決しようと動くと思います。

「なぜ問題が起きたのだろう?」とかと、まず問題が起きた原因を探ろうとするでしょう。

しかし、僕も含めてなかなか問題が起きた原因を見つけられるような問いを見つけられず、途方に暮れることが多々あるように感じます。

Q思考ではこれに対して、より深い疑問にたどり着くための提案をしています。

それは質問を「閉じ」たり「開い」たりしてみることです。

では質問を「閉じる」「開く」とは一体どういうことでしょうか?

以下に示してみます。

  • 閉じた質問とは

閉じた質問とは「はい」「いいえ」で答えられるような、答えが1つになるような質問です。

例えば「いまの仕事は楽しいと思えるのか?」
「今の友人関係に満足しているか?」

これはクローズド・クエスチョンとも言われます。

  • 開いた質問とは

答えが複数ある質問のことです。

例えば、「なぜ、東京-アメリカ間の移動が飛行機でなければいけないのか?」
「もし、自分の今の収入が2倍になったらどんな生活になるだろうか?」

オープン・クエスチョンとも言われます。

上記の「閉じた質問」と「開いた質問」を繰り返すことで深い疑問にたどり着き、問題解決がしやすくなるのです。

では実際に考えてみましょう?例えばこんな具合にです。
まず、以下のような問題があったとします。

「なぜ友人Aとは、こうもうまくいかないのだろうか?」

これを解決するために、開いた質問をしてみます。

「自分は友人Aのことをどう思っているのだろうか?」

閉じた質問の場合は

「そもそも友人Aは付き合いづらい人間なのだろうか?」

この開いた質問と閉じた質問の結果、以下のような根本の疑問が見つかりました。

「自分の接し方に問題があるのではないだろうか?」「なぜ自分は友人Aの付き合いにこだわっているのだろう?」

上記のように根本の問題に立ち返ることができます。

このように質問の閉じ開きをすらと問題の解釈が明確になり、自分が何をすれば良いか見える化してきます。

なので質問を閉じたり開いたりすることは重要なので、人間関係の改善などに使える汎用性の高い方法だと感じました。

早く結果を求めすぎると、疑問が抜け落ちる

日常生活やビジネスの現場では、早く結果を出すよう求められる状況があると思います。

本当は結果を出す前に、もっと確認しなければいけないことがあったり、そもそも早く決断するべきでない状況も考えられます。

本書では早く結果をだすことに対して、以下のような説明がありました。

「ハーバード大学のトニー・ワグナ教授はこう語る「すぐに結果を出すよう求めると、思考プロセスから疑問が抜け落ちる」」

つまり、早く結果を出すことは多くの場合、最善ではない可能性があるのです。

人間誰もが、あまりにも急激な変化を迫られると思考や行動が単純化してしまうもの。

だから、急がば回れではないですが、プロジェクトや課題をうまく進行させるには、なるべく時間をかける努力が大事であるということが学べます。

もし単なる金儲けをやめて、理念だけを追求したら

「もし単なる金儲けをやめて、理念だけを追求したら」

本書で登場した言葉を引用しています。普段の仕事をただ単にお金のために働いているという意識だけだと、理念という考えには至りにくいものだと思います。

つまりお金儲け第一ではなく、本当の意味でお客様第一で企業活動を展開していくとどうなるか?

一見、金儲け抜きでビジネスをするなんて無駄なように思えてくるでしょうね。

しかしこのご時世、企業は利益だけではなく、社会貢献的な活動も求められている時代です。

なので、これからのすべてのビジネスでは、ある意味「お金儲け」だけでは成立しなくなるかもしれません。

「Q思考」の口コミ

それでは内容の紹介が終わったところで、「Q思考」の評判を見ていきます。

Q思考の内容を実践した人も。成果が出てるみたい。

ツイッターでは、「Q思考」の悪い評判は見当たりませんでした。一番多かった感想としては「答え」より「問い」の方が価値があることに納得しているような印象でした。

「Q思考」まとめ

何事も物事を正しい方向性で進めるには、疑問を持つことが大事。今の時代、答えはいつでも手に入れられる状態なので、答えにたどり着くための質問をすることの方が価値がある。複雑に見えるこの世界は、質問の方法を学んでいれば本質を捉えられるようになる。

Q思考――シンプルな問いで本質をつかむ思考法
by カエレバ

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