近年広告の健全化!健全化!と叫ばれてから、ついにGoogleが自身が持っているブラウザであるChromeで2年以内にcookie終了を宣言しましたね(1st party cookieは継続)。
正直、このことがなぜ問題になっているのかよくわかっていない人がいるかもしれません。
そもそもcookieとは?
運用型広告の運用者であれば一度は耳にしたことがある話題だとと思います。
明確にわからない人のために解説するとcookieとは簡単に言えばネットユーザーの行動履歴が溜められているウェブ上にある箱と思ってもらえればわかりやすいと思います。
端的にいうと、その箱を使ってユーザーの許しもなくビジネスに利用していることが問題として大きくなったことがChromeのcookie終了宣言のきっかけとしては存在しているはずです。
そこで今回はビジネスのためにcookieが利用されることについての問題 となぜ今回のようなcookie廃止というGoogleの思い切った判断に立ったのか?
そしてそういったcookieに厳しくなった世の中を生き抜いていく為にマーケターが持つべき視点 という話題を真剣に考えていこうと思います。
目次
ウェブ広告のcookie利用についてはこれまで散々非難を浴びていましたね。
全然今に始まったことではありません。
このcookieと呼ばれる技術はユーザーの見知らぬとこでウェブの行動履歴を収集
され、ユーザーの許可なく勝手にビジネスに利用されていたことから気持ち悪いと悪評が続いていたんです。
ちなみに、そういったいわゆる気持ち悪い広告の代表例がリマーケティング広告と呼ばれるものです。
リマーケティング広告とは追跡方広告とも呼ばれ、1度特定のサイトに訪れたユーザーに対して、サイト離脱後も同じような広告を見せつける手法です。
別名ストーカー広告(なんとも不名誉なことでしょう) と言ったらわかりやすいかもですね。
このやり方は結局ユーザーにとってはウザいものと成り下がってしまいましたが費用対効果が良かったので、ウェブ広告業界のマーケターからしてみたら、広告主の収益につながるわけですね。
なので調子に乗って「リマーケティング広告やりましょう!」といろんな広告代理店がいっぱい提案しちゃうわけです。
そんなことでごくごく一般的に利用されるマーケティング手法になっていったんです。
ですが、この状況は明らかにユーザーにとって不利益でした。
でも、それは初めから考えてみればわかることだったんです。
ユーザーの知らないところで自分の情報が抜き取られ、商売に利用されてしまっていることを知ってキモいと思わない人はかなり究極のドMか、ド変態くらいだと思っています。
われわれのような運用方広告の人間からして見てもユーザーにとってウザがられる広告を打ってしまっていると承知の上でのマーケティング となっていました。
ストーカー広告を打って不快に思うユーザーは一定数はいることはしょうがないことだと。そりゃストーカーしてるもんそうだろなという感じ。
ですがクライアントの事業の成果に貢献するためならそれは仕方のないことだと割り切るという判断で、今まで運用していたのが本音です。今考えるとクズですね
ウェブ広告は今後も健全化に向けて進化する。マーケターが持つべき視点
広告の健全化は必要だ!といくら話しても納得できないマーケターがいるかもしれません。
そうはいっても、マーケターの中には「広告業界に大ダメージだ!よくない!」とか「これから落ちる業界に成り下がるんだ!」などという見方をする人がいるかもしれない。
この際だから言っておくが、この広告cookie制限をネガティブに捉えている人がいるようですが、全く逆と思えるようにしなきゃいけない。
そうネガティブに感じてしまうのは、もう勉強不足だと言わざるを得ません。
むしろ、このようなcookie廃止の動きは広告の発展に大きく貢献するので歓迎すべき です。
しかし要注意点としては短期的にはウェブ広告業界の収益は落ちる可能性はあります。ですが長期的には伸びていく可能性の方が高いというのが見解です。
ます、cookie廃止によって広告業界がダメージを受ける理由については筆者はこう予測します。
こうした広告効果の測定で大活躍していたcookieが廃止されたり制限されたりしてるわけですから、その制限の対応に出遅れる企業は利用できる広告手段が限られるので収益性は落ちるという見方が短期的な意味です。
長期的には伸びていくという理由は二つあります。
一つはcookie以外の広告効果測定に利用される技術(例えばサードパーティクッキーの代替としてPrivacy Sandboxがある)が開発され、効果計測の健全化の整備が進むことでリマーケティング広告(ストーカー広告)など効果的施策が打ちやすくなる ということ。
二つ目はリマーケティング広告以外の効果的な広告手法が確立されるという点です。
二つ目の理由をもう少し具体的にいうと、ストーリーテリングを利用した広告手法 の発展です。
伝えたい訴求ポイントをストーリー形式で伝えることでユーザーの感情を刺激させ記憶の定着を強化するマーケティングの概念の一つ
ストーリングテリングとは例えばYouTube動画広告において、「①短いライトなイメージの動画」と「②長いディープなイメージの動画」を用意して、ユーザーごとに①→②という流れで動画を見せられる手法です。つまり一人のユーザーに対して複数の動画を指定の順番で流すことができるのです。
この方法はリマーケティングの要素もあるし、かといって一人のユーザーに同じ内容を訴求する者でもないので今までのリマーケティング広告とウザさは弱まります。
むしろこのようなストーリーを意識したプロモーションは良い動画作品を繰り出すことができれば、ユーザーにとっては日常生活の良い体験の一つになるかもしれないですよね。
良いことです。
このようにGoogleは長期的な視点で世の中のためになることそしてそれは巡り巡って自社のためになること、という未来を確信していることと思います。
そして、今後は長期的にWin-Winの関係に調整するようにGoogleはネットユーザーと広告主の利益を考慮したアップデートをしてくれるはず。
最終的にエンドユーザー(消費者)の利益にならないビジネスは廃れる
別に広告だけに限った話ではないけれど、こういったクライアントのことしか考えていない前提で行うビジネスは明らかに長期的には発展していきませんよね。
まさに小手先のテクニックです。
あくまで最終的に商品を購入するのは消費者 ですから、クライアントのみではビジネスはもちろん成立しないわけです。
このリマーケティング広告という手法も消費者の嫌われることをやってしまっているのだから当然の結果だと言えます。
その意味では、よくこれまでcookieでの広告計測の方法でマーケティングをやってこれたものです。
今思えば不思議です。
言い訳するつもりは微塵もないですが、考えてみるとわれわれ広告業界の人間は広告主とその広告主の商品を購入する消費者の板挟みになっている関係性があるので、消費者のへの迷惑行為そのものに気づきにくいビジネスモデルだったかもしれません。
もはやこうしたcookie制限という動きは運命だったのかもしれないですね。
ウェブ広告業界はある意味特殊な業界だったといえます。
やっぱり痛みを知って初めてわかる のはどこもいっしなんだなと気付きました。
筆者としても、自分の仕事への意識がかなり低レベルだったとも言えるかもしれないです。
そこは反省点として持ち、もっとエンドユーザーへの思いやりを大事にして今後もウェブ解析士として頑張っていきます!