スポーツ生理学から見た陸上競技。体のエネルギー消費の仕組みを知って競技に生かす。

陸上競技をやっている人は案外自分の体について知らないものです。

人が運動をする際にどのような仕組みでエネルギーが使われて、疲労状態に至るのかを。陸上選手、指導者などの陸上に携わる人間であれば、このことをよく理解しておく必要があると思います。なぜなら運動のエネルギーの源を知れば、正しい疲労回復も理解出来ることにつながるからです。

疲労回復については軽視されがちですが、実はとても重要です。

陸上競技における技術や心持ちなどももちろん重要ではあります。しかし、100%の力を発揮するためには、疲労は残っていない方がベストです。

疲労回復が不完全であれば、せっかく習得した技術や筋力なども十分に発揮されません。勿体無いことですよね。体のエネルギー源を知り、適切な疲労回復に繋げましょう。

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スポーツでの疲労状態の身体は、ガス欠状態である

人は運動し、疲労状態にある場合は車に例えるとガス欠状態であると言えます。車はガソリンがなければ走り出せません。体も同じようにエネルギー源がなければスポーツができなくなるのです。しかし、人の場合は運動する際のエネルギー源が運動レベルによって違ってきます。まずこれを理解する必要があります。

ウォーキングレベルの運動

ウォーキングやウォーミングアップなどの緩かな運動の場合は脂肪と酸素が使われていきます。脂肪は普通、体重の約2割あると言われており、燃費もいいので、常に十分な供給があります。

脂肪がなくなってしまうということはありません。地球上の酸素と体に血液さえあれば、運動を継続していくことができるのです。

筋肉が疲労を感じる運動

筋肉が疲労を感じ始めるような運動は炭水化物と酸素を使ってエネルギーを生み出します。

つまり、5000mや10000mなど、競技が終わるとあまり激しく運動ができない運動レベルのことです。この運動レベルの際に、体内でどういう動きが行われるか説明します。

まず外から酸素を取り入れ、体に蓄えられた炭水化物を酸素を使って燃焼し、体を動かす源としているのです。炭水化物は、脂肪よりも効率的にエネルギーを生み出すことができます。しかし、脂肪と違って大量に体内に蓄えられるものではなく、脂肪よりはるかに貯蔵量が少ないです。なのであまり長時間継続して運動をすることはできないのが特徴です。

激しい運動

今までの運動レベルは酸素を使って体を動かしていましね。

100m、200m、400mなどの短距離の場合、人間の体はいつもと違う仕組みを使って体を動かすエネルギーを作り出します。いわゆる無酸素運動です。

素早い動きを必要とする競技の場合、炭水化物を分解して体を動かすエネルギーとします。理由はいちいち酸素を取り入れながら炭水化物を燃焼していてはエネルギー供給が追いつかないからです。なので、そのとき体内では酸素の役割を捨て、炭水化物のみで体を動かす手段を選びます。

しかし、炭水化物を分解してエネルギーを作り出すほどの激しい運動の場合、非常に短い時間の運動しかできないのが欠点です。人は40秒くらいまでだったら酸素なしでも継続して筋肉を動かすことが可能なのです。

ですが、酸素を使わない運動は非常に苦しいものです。究極の無酸素運動と言われている400m走はそれを助長するものだと言えます。

これで運動タイプに分けたエネルギー源については以上です。どうでしたか?エネルギーと疲労の関係は理解できたでしょうか?この疲労について、その他には「精神的」「局所的」などの様々な理由で体の疲労が発生しているようです。

しかし、今回この体の仕組みについて、基本的なことを知っておくことで疲労回復のヒントを見つけ出せるはずです。